「こうじ、ちょっと来て!」
休日の朝、母の少し焦った声が聞こえました。
慌てて父の部屋へ向かうと、父はベッドの横で座り込んでいました。
「立ち上がろうとしたら、足に力が入らなかった。」
父はそう言って笑いました。
でも、その笑顔はどこか無理をしているように見えました。
私は父の腕をつかみ、ゆっくり体を支えながら立ち上がらせました。
以前なら一人で当たり前に歩いていた父です。
その姿を見た瞬間、胸の奥が締め付けられるような感覚になりました。
「介護って、もう始まっているんだ……。」
そして、もっと怖いことにも気付きました。
父が年を取ったということは、自分も50歳になったということです。
老後は、もう遠い未来の話ではありませんでした。
50歳派遣社員の私に、父の介護が現実になりました
父は78歳。
母は75歳になりました。
二人とも昔は本当によく働いていました。
父は家族のために仕事を続け、母も家計を支えるためにパートへ出ていました。
そんな両親も年齢には勝てません。
父は少しずつ歩く速度が遅くなり、最近では一人で立ち上がることさえ大変な日があります。
母も「腰が痛い」と言いながら、それでも毎日家事をこなし、父の世話をしています。
本来なら、私が両親を支える立場です。
でも現実は違います。
私は物流倉庫で働く派遣社員。
借金は350万円。
毎月の給料は生活費と返済でほとんどなくなります。
親を助けたい。
そう思っていても、自分の生活を維持するだけで精一杯です。
そんな自分が情けなくなる日もあります。
物流倉庫で働きながら親の介護を考える毎日
物流倉庫の仕事は体力勝負です。
一日中歩き回り、荷物を運び続けます。
仕事が終わる頃には腰も膝も痛くなっています。
それでも家へ帰れば、「今日は父の調子はどうだったかな」と気になります。
もし母が体調を崩したらどうなるのか。
もし父の介護がもっと必要になったらどうなるのか。
仕事中でも、そんなことを考える時間が増えました。
以前書いた「仕事を辞めたいと思わない日はありません」という記事では、仕事のつらさについて書きました。
でも今は、仕事そのものよりも、仕事を辞められない理由のほうが大きくなっています。
生活費。
借金。
そして、家族。
この三つがある限り、簡単に仕事を辞めることはできません。
借金350万円を抱えたまま、親の介護はできるのでしょうか
最近、ニュースで介護費用や老後の特集を見ることが増えました。
以前は他人事だと思っていた話です。
でも父の様子が変わり始めた今、その一つひとつが自分のことのように感じます。
私は借金350万円を抱えています。
貯金はありません。
毎月の給料は生活費と返済で消えていきます。
「もし父の介護にもっとお金が必要になったら?」
「もし母まで体調を崩したら?」
そんなことを考えるだけで、不安になります。
今の生活は、決して余裕があるとは言えません。
それでも現実は待ってくれません。
年齢を重ねれば、親も年を取ります。
介護は、ある日突然始まるものではなく、少しずつ生活の中へ入ってくるものなんだと実感しています。
母の姿を見て、自分の情けなさを感じることがあります
仕事から帰ると、母が夕飯を作っています。
父の様子を気にかけながら、洗濯をして、掃除をして、翌日の準備までしています。
75歳になった今でも、家族のために動き続けています。
私は「ありがとう」と言います。
母は「気にしなくていいよ」と笑います。
その笑顔を見るたびに、胸が苦しくなります。
本当なら、母にはもっとゆっくり暮らしてほしい。
父と穏やかな時間を過ごしてほしい。
でも現実は、私が十分に支えられているとは言えません。
50歳になっても、親に助けられている。
その事実が、一番つらいのかもしれません。
50代独身の老後を考えると、眠れない夜があります
父の姿を見るたびに、自分の10年後、20年後を考えます。
60歳になった私は、まだ物流倉庫で働けているのでしょうか。
借金は返し終わっているのでしょうか。
一人で生活できているのでしょうか。
独身で子どももいない私には、「誰かが助けてくれる」という安心感はありません。
だからこそ、父の介護は自分の未来を見ているような気持ちになります。
以前書いた「50歳になっても派遣社員。この先どうやって生きていけばいいのか分からない」という記事では、将来への漠然とした不安を書きました。
でも今は違います。
漠然としていた不安が、目の前の現実になり始めています。
このブログを書き続ける理由があります
正直に言えば、毎日が前向きなわけではありません。
仕事へ行きたくない日もあります。
借金のことを考えて落ち込む日もあります。
父の体調が気になって眠れない夜もあります。
それでも、このブログだけは続けようと思っています。
ブログを書いている時間だけは、自分の気持ちを整理できます。
同じように悩んでいる人が読んでくれて、「自分だけじゃないんだ」と思ってもらえたら、それだけでも意味があると思っています。
そして、いつかこの記事を読み返したとき、
「あの頃は大変だったけど、乗り越えられた。」
そう笑える日が来てほしい。
その日まで、私は物流倉庫で働きながら、このブログを書き続けます。
借金も、仕事も、介護も、すぐには変わりません。
でも、一歩ずつ前へ進むしかありません。
明日も仕事です。
父が少しでも元気に過ごせることを願いながら、今日はもう休もうと思います。


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